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米澤穂信『王とサーカス』

米澤穂信さんの『王とサーカス』を読みました。

忘れないうちに感想を書こうと思ったので、ブログの更新がてらこうして記事にしています。

 

・簡単なあらすじ

舞台は2001年のネパール。主人公は28歳の日本人の女性・太刀洗万智。日本で記者をやっていたが同僚の死をきっかけに記者をやめ、旅行記事の取材のためネパールへと渡ります。そのような中、王族が殺害される事件が起こり、彼女はその取材を行う...という話です。物語の背景には2001年に実際に起きた「ネパール国王殺害事件」があり、作中でも同じ状況で描かれています。

 

・感想

 

P60 「なんとかっていう外国の連中が来て、この国の子供たちがどうなっているのかを世界中に知らせた。(中略)お陰で子供の死ぬ数はぐっと減った。~(省略)」

P79-80 「絨毯工場がどんなにひどいところか、外国のテレビが世界に流した~(中略)、(そのせいで)兄貴が仕事をなくしたことだ」

P80 「兄貴は代わりの仕事を探して屑拾いを始めた。屑拾いの仕事で腕を切り、それがもとで兄貴は死んでしまった。」(内容略)

P151 「なあタチアライ。俺、兄貴が大好きだったんだよ」

 

以上のセリフは全て同一人物のセリフです。これだけ書き出して見ているとその裏にある感情を想像するのは簡単なのですが...。雑な読み進め方をしてしまったせいかそれを想像できずに最後の章まで読み進めてしまい、納得すると同時に衝撃を受けました。

それを差し引いても作者の描写も見事だと思います。 作中で起きた出来事が全て最後で結びつき、真実となっていくのは納得するとともに一種の感動をしました。

 また、作中での軍の大尉、警察の刑事の発言、そして僧侶の発言は「これはもう哲学なんじゃないか?」とも思いましたが、深く刺さるといいますか、考えるべきものだと感じさせられました。

 

・おわり

読んで良かった、と言える本でした。

数年間小説を読む行為から離れていて、作者の作品も読んだことが無かったので本音を言えば読むのにあまり乗り気ではなかったです。

しかし、実際に読んでいくと、ありきたりな表現ですが「引き込まれ」ました。

 

本の感想を書くという慣れないことに疲れたのでこの辺で終わりとします。それでは。